よく「これは絶対に必要!ってものを教えて下さい」と聞かれるんです。2週間くらいの旅行なら何でもスーツケースに詰め込んでいけばいいと思いますが、長期、バックパック、陸路移動で旅するならミニマルな荷物がいいでしょう。
妥当な表現かわかりませんが登山やってる人ならわざわざ1から買い揃えないよねって話です。
まぁ、登山に限らずなんでもいいんですけど、限定された物と環境枠の中で、自分の体力・メンタルを知ってみる1つの方法です。荷物の詰め方の要領や、自分の拘りが分かってきます。
なにかと「せっかく」って言う人は向いてない
事前にどれだけ調べても、現地では何が起こるか誰も知りません。
完璧に道具を買い揃えても半分近く使わないかもしれません。調べた情報なんて8割ほどゴミと分かってても調べるんです。
わたしは登山、キャンプ、源流釣り、バックカントリーが好きですが、それでも想像しない出来事は必ず起こる。
例えば登山なら
思っていたより寒い/暑い/暗い/汚い/臭い・・・
いきなり土砂降り、悪路
電源・電波がない
虫さされ、ケガ、病気
衛生面のこと
非常食
デジタルグッズのこと
壊れる、失くす
予定通りに到着しない状況
・・・なんでもありますね
↑これは最低限の覚悟であり、安易な考えは命取りにさえなります。
それに対応できるモノをかついで持ち歩くのです。体力には限界があるし、登山も天気が悪く悪路の中で何時間も歩くと心が折れます。
旅行は極論言えば金で解決しますが、登山とは違う理不尽な体験、言語、日本の常識は通じないという予想外の場面に出くわします。旅のメンタルってほとんど人が関係します。対応、価値観の違い、騙されたり、気の合わない人と行動したり。背面と前面に
だったらせめて、軽くてコンパクトで耐衝撃のものを持ち歩くしかないんです。
そんな場所で「せっかく調べたのに、せっかく持ってきたのに、せっかく苦労して来たのに」という意固地な感情は事故さえ招きます。大切なものはなんですか?我に返る余裕のない旅なら準備段階で失敗していることを認めてすぐに頭を切り替えてください。
こだわり条件の中で、他を削る
私たちは異常なほど過保護に生きてます。他の先進国と比べても綺麗で便利で高品質のモノに溢れた中で生活しています。
そんな日常生活の中から、自分が譲れないものをしっかりチョイスして持っていく必要があるのです。
何でも持って行きたいなら、90リットルのバックパック+サブバックでいつでもテキパキ動く体力が必要です。
オシャレに気を使っていたいなら、他の便利道具を削る必要があります。
一眼レフや周辺道具を全部持ち歩きたいなら、他のものを軽量化しいつも肌身離さず持ち歩かねばなりません。
LCCで安く賢く周遊したいなら、重量を気にする必要があります。
「そんなのわかんないよ!」って人に2泊以上の登山をオススメするってことです。
本当に必要なもの
フットワークを軽くする理由は、予期できないメンタル面の重みが次々と追加されるからです。
どんなに楽しくても異文化環境に疲れが溜まります。予定なんてすぐに狂いますw 日本では考えられない理不尽な目に遭います。
こんなことは何年間何十回と海外行っても慣れません。すべては未知。
すぐに頭を切り替える繰り返し。場所・モノ・文化は変えられない。文句言ってないで、さっさと視点と視座を変えるんですよ。
自分の些細な知識(思い込み)やコダワリを捨てる勇気が1番の必需品であり楽しむコツです。
(もちろんストレスにならない程度の)
限られた時間と場所にストレスを与えない
限られた時間と場所を楽しみ、ストレスを与えないものを選別するのは自分が自分のことをわかっているからこそ出来ること。
最終的に旅先で得るものは絶景やグルメの思い出ではありません。
旅をすればするほど、意外と期間限定と思えば許せること、どうしても譲れないものという本当の自分が見えてくるんです。それはモノだけでなく、自分の器や拘りも見えてきます。
例えば私は毎日美味しいブラックコーヒーを飲みたいので、日本からドリップコーヒーや簡易エスプレッソメーカーを持っていきます
逆に1番不要だと思うのは、「旅の目的とか定義付け」ですかねー
自分探しの旅なんて今そこでも出来る
よく自分探しという綺麗なコトバで旅論を語っている記事があります。自分が今後何をしたいのかを見つける旅としてこじつけてまとめてるものが多いんですよね。
プロフィールにも書きましたが、小さな自分・無知な自分・貧しい自分を知る時間だと私は思います。海外だから気付けるわけではなく、国内でもいいし登山とか予測不可能な状況に追い込まれないと気付けないものです。だからあえてバックパッカーと書きました。
旅と人生、登山と人生を重ねて表現する格言や名言って多いですよね。だから「自分探し」なんてものが目的なら国内登山で用は済むかもしれませんよ?でもそれに拘るあなたは、何回登っても見つからないかもしれません。
The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.
発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。
こだわってる対物じゃなくて、こだわってる自分が好きって人に向けて書いてみました。
でわまた
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