初めて村上市を訪れたのは「鮭が食べたかったから」ですが、車で周っているときに建物の統一や風情を感じたのでゆっくり歩いてまわろうと決めました。
これには2つの理由があって、純粋に関心をもったから、そしてこの町が近いうちに観光地になる気がしたから変わり果てる前に見ておきたかったというもの。
国内をいろいろ見て回ってる人なら”茶色一色の町”という光景は各県で目にしていると思います。
経緯としては道路拡幅を伴う大規模な近代化計画の話が持ち上がり、近代化に盛り上がる町民を説得し伝統的な町屋にスポットを当て賑わいを取り戻すことで、「活かしていこう」という意識に変わったというもの。http://www.k-shinji.info/project.html
で、この鮭料理店味匠 喜っ川 の社長さんが中心となって近代化阻止というか「まちづくり」プロジェクトを進めたようです。観光のカリスマですって。
特選村上鮭セット 塩引鮭・酒びたし・焼漬・珍しい正油味の鮭トバ・農林水産大臣賞受賞の味噌を使用した鮭みそ
村上城下町の特徴
武家屋敷、町家、寺町、城跡が残る希少なまち村上には伝統的な家屋がたくさん並んでいます。
囲炉裏の茶の間、太い梁、通り土間、高~い天井など独特の町家造り様式の建物が点在しています。
お店の茶の間を公開し町家造りを見学できる
十数軒ですが、染物店、酒店の茶の間や廊下を見て回ることができます。
公開町家のマップ
肴町、鍛冶町、大工町、羽黒町、加賀町、細工町・・・など城下町らしい名前の町が続きます。
「お休み処えんや」は大工さんの家を再生した建物。上棟式で厄除けのために飾られた矢羽根、18メートルの土間など平入り特有の作り。
城下町村上絵図を手に人形さま巡り、屏風まつり
約80軒の町家が参加し、家々に伝わるひな人形などを飾って公開しています。同じく屏風まつりも各家に伝わる屏風や昔の民具などを飾り、観光者に語り部となって伝える催しです。
村上大祭(7月7日)
1633年から続く祭礼で、村上の伝統産業を活かした豪華な「おしゃぎり(屋台山車)」が中心街を巡ります。
このほか、瀬波大祭(9月4日)や岩船大祭(10月19日)といった伝統の祭りがあります。
黒塀プロジェクト
ブロック塀になっていた小路を、昔ながらの趣きある黒塀の一画に変えるプロジェクト。0
寺町の隣にあり、住宅地ではあるが、料亭も多いエリア。
行政に頼らず有志ある市民が力を合わせて進めた
これが他の地域と村上市の1番違う点でしょう。
行政が動くと、ニーズや世間の動向に合わない綺麗な箱ものや需要のないインフラにカネを使うので、虚しさが増すような仕上がりになってしまった町村はたくさんあります。茶色い町も、伝統的建造物群保存地区といった名の下に行政が他の地域の真似をして着せ替えごっこされただけの殺伐とした地域もある。
しかもやりっぱなしなので、「やった」ことにすれば「完了」とし継続しない、という考え方をするのも田舎自治体あるあるな現状。町を変えるのは行政ではなく住民の意識(もとより性根のような)なので、村上が良い例として多方面で取り上げる材料として最高の事案かもしれないですね。
いろんな地域を見てきて、活性を感じる、オリジナル性を感じるのは商工会や青年部の活気がある地域です。長野県なら小布施が良い例ですかね?今後どう変わっていくのかも見どころの1つかもしれません。
好みは分かれる
外観再生や、黒塀で整備された町並みに「昔ながら」とか「情緒」を感じるのは人それぞれ。だって、今を生きる私たちが懐かしさを感じるのは昭和ですから。明治だと言われてもよくわからないし、テイストに合った色として何でも茶・黒になっていくのは違和感があります。
確かにシャッター街は寂しいですが、わたし個人としては昭和初期の建物は好きですけどね。
作例のビフォーアフター、私はアフターが全て良いとは思わないんですよね~(少数派だと思うが)
保全保護は大切ですが、色が変わったのも1つの時代と文化。住む人の気持がネガティブにならず小奇麗なまま維持されている町が、私にとっては「また行きたい町」かな。
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