佐渡島にある佐渡西国三十三観音を車で巡ってみた。これは近畿二府四県と岐阜県の霊場を巡礼していく西国三十三所の「写し」として、昭和35年に「佐渡西国三十三番」巡礼地が作られました。そのときに全てを新設したわけではなく、もともと昔からあった観音様や地蔵堂、十王堂などに位置づけていったようです。このような霊場は全国にあり、特別珍しいものではない。
ちなみに島のあちこちにある赤い幟旗は、四国遍路の写しである八十八箇所霊場(寺院巡礼)なので全く別物であり、その他に七福神もあるらしい。
そもそも私は中山街道(旧相川街道)を歩こうとしていて、この三十三観音というのは旧街道沿いにあるものだと思いこんでいた。本島にはこういった古道や旧道沿いに観音や地蔵が並んでいることが多く、これまでも色々と古道を歩いた経験上、完全に勘違いをしていた。といっても佐渡島内の寺社を訪ねているとこの観音の標柱に出くわすことは多く、どうせなら全部回ってしまおうという流れになった。
情報が極めて少なく、観光機構に聞いても誰もわからず、島民も集落の人さえ気にしてないのでよくわからない。「佐渡なび」という2005年に作られたままリンク切れだらけのサイトを頼りに、新たにGoogleマップに登録したので、巡礼したい方は参考にしてください。
地図と一覧
番 | 山名 | 観音名 | 本尊 | エリア | 集落 |
1 | 快栄山 | 東強清水 | 十一面観世音 | 両津 | 東強清水 |
2 | 女男山 | 逢田観音 | 十一面観世音 | 畑野 | 多田 |
3 | 慈眼山 | 河内観音 | 正観世音 | 畑野 | 浜河内 |
4 | 海潮山 | 観音寺 | 正観世音 | 赤泊 | 徳和 |
5 | 曽里地山 | 帰郷観音 | 正観世音 | 赤泊 | 真浦 |
6 | 那智山 | 六句観音 | 馬頭観世音 | 羽茂 | 井尻 |
7 | 木野浦山 | 斉藤観音 | 正観世音 | 小木 | 木野浦 |
8 | 岩屋山 | 宿根木観音 | 正観世音 | 小木 | 宿根木 |
9 | 築法山 | 小太観音 | 馬頭観世音 | 羽茂 | 東仮屋 |
10 | 日照山 | 子安観音 | 正観世音 | 羽茂 | 上山田 |
11 | 香雪山 | 横山観音 | 正観世音 | 赤泊 | 横山 |
12 | 野見智山 | 豊田観音 | 十一面観世音 | 真野 | 豊田 |
13 | 新町観音 | 正観世音 | 真野 | 真野新町 | |
14 | 浦陀山 | 三宮観音 | 千手観世音 | 畑野 | 三宮 |
15 | 久遠山 | 下新穂観音 | 正観世音 | 新穂 | 下新穂 |
16 | 二方潟山 | 阿弥陀堂 | 正観世音 | 新穂 | 新穂村島 |
17 | 宝珠山 | 火伏観音 | 千手観世音 | 両津 | 旭 |
18 | 青稍山 | 円慶堂 | 千手観世音 | 新穂 | 新穂青木 |
19 | 湖月山 | 吾潟観音 | 正観世音 | 両津 | 吾潟 |
20 | 二股山 | 久知河内観音 | 正観世音 | 両津 | 久知河内 |
21 | 金剛山 | 白瀬観音 | 正観世音 | 両津 | 白瀬 |
22 | 太平山 | 見立観音 | 正観世音 | 両津 | 見立 |
23 | 生藤山 | 布願観音 | 正観世音 | 両津 | 願 |
24 | 海鳴山 | 岩谷観音 | 正観世音 | 相川 | 岩谷口 |
25 | 論天山 | 入川観音 | 千手観世音 | 相川 | 入川 |
26 | 不動山 | 千佛堂 | 正観世音 | 相川 | 戸地 |
27 | 金戸山 | 波切観音 | 正観世音 | 相川 | 小川 |
28 | 応召山 | 下戸観音 | 如意輪観世音 | 相川 | 下戸 |
29 | 高瀬山 | 治門観音 | 正観世音 | 相川 | 高瀬 |
30 | 観誓山 | 知空堂 | 正観世音 | 佐和田 | 田中町 |
31 | 大慈山 | 石田観音 | 馬頭観世音 | 佐和田 | 石田 |
32 | 明恵山 | 本屋敷 | 正観世音 | 金井 | 本屋敷 |
33 | 平清水山 | 堂林観音 | 千手観世音 | 金井 | 平清水 |
参考サイト
http://www.sadonavi.net/cate2/higtliht/33kannon.html
目印になるもの
白い標柱、神社、寺、公民館がわかりやすいです。観世音菩薩なので神社はちょっと違うのですが、佐渡は神社の隣にあることが多い。寺社とは別に、観音堂を集会場や公民館として使っている集落も多かったです。
最もわかりやすい、親切なのが白い標柱が大通り沿いにあること。これが1番見つけやすい。
あとは神社や寺の名前を追って見つけるしかないが、佐渡内に同じ神社名がたくさんあるので注意。(二宮、三宮、熊野、八幡...など)
危険な場所は?
ほとんどが寺社に行くような感覚でいいですが、一部の観音堂は急な階段、海沿いの岩場、20分ほど山道を歩く箇所もあり。1番大変なのは33番堂林観音ですね、ちょっとしたハイキングのつもりで行ってください。
個人的に嫌だったのは蜘蛛の巣です、ずっと木の枝を振り回して歩いてました。21番の白瀬は通り沿いにあるにも関わらずあまりにも廃墟のように蜘蛛の巣に覆われていたので近づけませんでした。ほとんどの観音堂は集落の皆さんが定期的に利用して清掃している様子でした。
佐渡西国三十三観音を巡るご利益は?
巡礼つまり参拝であり、供養や願い、心を豊かにするなどいろいろなご利益があるそうですが、こういったものを目的に周ればガイドブックには載らない地域や集落を目にすることができた。佐渡は本当に村社を美しく保存する文化で、どんな小さな集落でも清掃が行き届いています。それだけでも見ていて気持ちいいですし、海を見下ろす場所、棚田の近く、柿畑に囲まれた場所など様々です。長期で旅行する方はぜひ巡ってみてください!
それにしても本来の目的であった中山道は歩かずに終わってしまった。暑さにも耐えられなかったし、いろいろ探し回ったがちゃんと分かるような地図も見つけられなかった。車じゃないので迷ったら熱中症で倒れてたかも。
お願い:13番中町(新町)観音の山名がわかる方はコメントください🙏
コメント